農業復興へ南相馬市が「農業学校」開校 県内外から15人が入学

大久保泰
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 東日本大震災後の農地の再編や担い手不足の解消をめざす福島県南相馬市は11日、市内の幼稚園跡地に「みらい農業学校」を開校した。県内外から15人が入学。1年間、栽培技術や流通を学び、地元の農業法人への就職をめざす。

 市は、農業教育事業を全国で展開する「マイファーム」(京都市)に運営や管理を委託。西辻一真社長が校長を務める。座学や実習のほか、地元の農業を熟知した講師らが指導に当たる。卒業後は、地元に約60社ある農業法人に就職し、農業を支えてもらう。

 県内出身者は福島市会津若松市などの10人。相馬市出身の但野(ただの)綾子(りょうこ)さん(38)は、長く東京で暮らしていたが「自然が好きで、農業にチャレンジしたい」と、南相馬市に移り住んだ。

 埼玉県から来た大学2年生の斎藤士真(しいま)さん(20)は休学して学ぶ。援農ボランティアを通じて農業の魅力にひかれた。「大学に戻るか、卒業後に就農するかは今後考えていきたい」と話した。

 市内の農業従事者は現在770人で、震災前に比べ7割減少した。門馬和夫市長は「地域の農業者とともに学び、新しい息吹になることを期待している」と話した。

 校内には交流スペースも設け、収穫した野菜や食品を販売する計画だ。(大久保泰)

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