第7回井手正敬・元JR西会長「鉄道モデルは崩れた」 想定外だった人口減

有料記事

聞き手・瀬戸口和秀

 鉄道のビジネスモデルというのは、大量輸送です。一度敷設したら、大量に運べば運ぶほど利益が出せます。ところが人が減り、これまでの鉄道モデルは崩れて、維持することが難しくなりました。根本的に人口が減ったことを考えると、鉄道は設備費などの固定費がかかりすぎる。

 1987年、国鉄は悪化した経営を改革するために、分割民営化されました。当時は、国鉄が抱えた巨額の債務と労働組合との関係が最大の問題だととらえていて、私たちはそれにかかりきりでした。人口がこんなに減るなんてことは想定していなかった。

地方路線問題「あまり頭になかった」

 少子高齢化の課題は念頭にあ…

この記事は有料記事です。残り1153文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
  • commentatorHeader
    西岡研介
    (ノンフィクションライター)
    2024年4月12日22時49分 投稿
    【視点】

    「自信」が服を着て歩いているような井手氏をして、「正直もうわからない。解決策を提案することはできません」と言わしめたのは収穫。地方路線の存廃は、それほどまでに難題だということがよく分かる。

    …続きを読む