第16回グローバル・パートナーに必要な日米首脳の絆 深めた宮沢・ブッシュ

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 今回の日米首脳会談で打ち出された「グローバル・パートナー」。32年前も、当時の両国の首脳は同じ言葉を冠した「東京宣言」を発し、「日米は新たな時代を形成する特別の責任を受け入れる」と表明していた。

 首相の宮沢喜一(1919~2007)と大統領のブッシュ(父、1924~2018)だ。宮沢が残した政治行動記録(日録)によると、冷戦終結後に新たな国際秩序を探ったブッシュとの連携は、首相就任前から始まっていた。

 他の史料や証言と重ねると、国際情勢と両国の内政が激動する中、宮沢とブッシュが互いに敬意を払い絆を深めていったことがわかる。いま同様の混迷にあって「グローバル・パートナー」を唱える両国の首脳にも、そこが問われている。

 「訪米の件。大使→Scow…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2024年4月14日17時38分 投稿
    【解説】

    宮沢日録は元首相・宮沢氏の分身です。取材対象が語ることのニュースを見極めつつ相対化するという、政治記者としての姿勢で書いています。  この記事で言えば…  ○宮沢日録からのニュースは、首相になる直前の宮沢氏の動き。そこを宮沢氏が遺した別の史

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連載宮沢喜一日録 戦後政治の軌跡(全23回)

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