川勝平太・静岡知事が退職届 差別的発言に批判収まらず辞職前倒し

田中美保 青山祥子
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 職業差別と受け止められかねない発言をしたとして批判され、辞職を表明していた静岡県川勝平太知事(75)が10日午前、県議会の中沢公彦議長に退職届を提出した。30日後に自動的に失職する。知事選は最も早い場合、5月9日告示、26日投開票の日程で行われる見通し。

 川勝氏は当初、6月県議会冒頭で辞職する意向だったが、県民らからの批判が収まらず、発言を撤回したうえで、辞職の時期を前倒しした。県によると、県庁には批判や苦情が9日までに2825件寄せられた。擁護の意見は184件あった。

 川勝氏を巡っては1日に県庁であった新入職員への訓示の中で、「県庁はシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノをつくったりということと違って、皆様は頭脳、知性の高い方です」と発言したことが問題になった。

 「農業や畜産に携わる人々の知性が低いというのか」「おごった考えだ」との抗議や批判が県庁に寄せられ、川勝氏は翌2日に謝罪し、6月議会での辞職を表明したが、発言を撤回しなかった。だが、その後も批判はなりやまず、5日に発言を撤回し、8日には辞職を早める意向を示した。

 知事選には元総務官僚の大村慎一氏(60)が立候補に名乗りを上げたほか、前浜松市長の鈴木康友氏(66)や衆院議員の渡辺周氏(62)も意欲を見せている。(田中美保、青山祥子)

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