旧ジャニーズ、新旧の経営分離進まず ファンクラブ、旧会社が運営

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 故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、被害者への補償に専念する「SMILE―UP.」(スマイルアップ、旧ジャニーズ事務所)に代わり、マネジメントなどを担う新会社「STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)」が10日、初ライブを開き、本格的に始動した。だが、課題は山積していて、その一つが「経営の分離」だ。新会社は旧会社と経営を分離し、創業家との関係を断ち切ることが求められている。

 喜多川氏のめいでジャニーズ事務所社長だった藤島ジュリー景子氏は新会社に出資せず、取締役にもならず、関わらないと明らかにした。昨年12月に新会社の社長に就任したのは、日本では珍しいタレントエージェント(代理人)業務も行うコンサルタント会社の社長で、従来の芸能界を批判してきた福田淳氏だ。タレントの井ノ原快彦氏を除く幹部は「スマイル社とは関係のない法律・財務のプロフェッショナル」でそろえたという。

 ただ、旧会社が持つ楽曲の知的財産やファンクラブ組織をめぐっては、新旧会社間での経営分離が進んでいるかはわからない。

 スマイル社側の知的財産には、楽曲の作詞作曲といった「著作権」や、録音された音源の複製や配信などができる「原盤権」があるとみられる。これらを抱えたままだと、カラオケやコンサート、放送などで使われるたび、スマイル社側が使用料として莫大(ばくだい)な収入を得ることになる。また、キャラクターグッズのデザインや商標などの権利も所有している。

 「本格始動」にあわせ、朝日新聞はスタート社に質問したが、期日までに回答はなかった。

 経営分離で注目を集めている…

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    松谷創一郎
    (ジャーナリスト)
    2024年4月11日4時41分 投稿
    【視点】

    STARTOとSMILE-UP.の経営分離について、その問題点をしっかりと指摘してくれているのは非常にありがたく思います。私も半年前からファンクラブや知財のゆくえなどについて指摘をしていますが、このことをちゃんと扱ってくれる大手メディアは朝

    …続きを読む