ノーベル賞のピーター・ヒッグス氏死去 「ヒッグス粒子」の存在予測

ワシントン=合田禄
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 物に質量をもたらしたとされる「ヒッグス粒子」の存在を予測した英国の物理学者ピーター・ヒッグス博士が8日、死去した。94歳だった。ヒッグス氏が名誉教授を務めていた英スコットランドのエディンバラ大が同日、発表した。

 ヒッグス氏は1964年、万物に質量を与える粒子の存在を理論的に予想した。後にヒッグス粒子と呼ばれるようになったが、長らく発見されなかった。

 一方、欧州合同原子核研究機関(CERN)が約半世紀後、大型加速器を使った実験でこの粒子を発見。ヒッグス氏は2013年のノーベル物理学賞をブリュッセル自由大名誉教授のアングレール氏と共同受賞した。

 素粒子物理学標準理論では17個の素粒子があるとされ、最後となる17番目に見つかったヒッグス粒子は「神の粒子」とも呼ばれる。

 エディンバラ大によると、短い闘病生活の後、自宅で亡くなったという。同大は「偉大な教師、指導者でもあり、何世代もの若い科学者に刺激を与えた」と評した。(ワシントン=合田禄)

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