自由になりたい… NYに増える越境者、カメラで追った共に生きる姿

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ニューヨーク=藤原伸雄

 「彼らはいま、どうしているだろう」

 2月末、米大統領選候補者レースを取材するために米国に出張した私は、「スーパーチューズデー」の前に、ニューヨークに向かった。

 2年前、私は写真記者として、入国ビザなしでメキシコ国境を越えて米国にたどり着いた人々をテキサス州で取材した。「ここまで来れば、どうにかなるはずだ」。越境者の1人は、そう言って私のカメラに向かってほほえんだ。

 当時、トランプ政権から民主党バイデン政権に代わって越境者が急増していた。米税関・国境警備局によると、当局が拘束した移民の数は2023年度には過去最高水準の約250万人にも達した。

NYに「送りつけられた」越境者たち

 しびれを切らしたテキサス州のアボット知事(共和党)が22年、越境者の一部をバスに乗せてニューヨーク州に「送りつけた」。その数は23年末までに3万を超えたとされる。NY市のアダムス市長(民主党)は今年1月に越境者を運んだバス運送会社17社を提訴し、州と州のいさかいに発展している。

 気になっていたのは、こうしてNYに向かった人々が置かれた状態だった。

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 マンハッタンを歩くと、越境…

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