米政府がTSMCに補助金1兆円 経済安保対策、米国内で追加生産へ

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ワシントン=榊原謙
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 米政府は8日、半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)に対し、最大66億ドル(約1兆円)の補助金を交付すると発表した。これを受け、TSMCは米国で新工場の建設に踏み切る。世界最先端の半導体を2020年代後半に米国でも生産し始める方針。東アジアに大きく偏ってきた半導体生産が、米国を含め国際的に分散していく転機になりそうだ。

 TSMCは、他社が設計した半導体の製造を請け負う世界最大手で、先端品に限れば世界生産の9割という圧倒的なシェアを握る。現在、400億ドル(約6兆円)をかけ、米西部アリゾナ州に二つの工場を建設しており、25年にも一部が稼働する。今回、三つ目の新設も決め、650億ドル(約10兆円)に膨らむ総投資額の一部を補助金でまかなう。同社はドイツや日本でも工場建設を進めるが、米国への投資の大きさが際立つ。

 米政府の補助金支出の根拠と…

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