壊されるガザ、国際社会の「敗北の半年」 鈴木啓之・東大特任准教授
聞き手・村上友里
パレスチナ自治区ガザでの戦闘開始から半年がたちました。パレスチナ・イスラエル情勢に詳しい東京大学中東地域研究センターの鈴木啓之・特任准教授は「これほど大規模なガザ地区の破壊は過去に例がない」と指摘します。この半年間の戦闘をどう見るのか、話を聞きました。
――戦闘が始まった当初、これほど事態が悪化すると予想していましたか。
当初は、このように長期化するとは想像できませんでした。イスラエルのガザに対する過去の攻撃期間は1カ月前後が多く、半年間も続くことは想定外でした。
長期化の背景の一つに、ガザ攻撃を支持するイスラエル国内の世論が弱まらず、ネタニヤフ首相自身も戦闘を継続したい意向であることが挙げられます。
大変な報復の暴力が推測できた理由
理由として、昨年10月7日にハマスがイスラエルへの越境攻撃を仕掛けた際、イスラエル側に1200人もの死者が出て、240人近くの人質が連れ去られたという被害の大きさがあると思います。
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