第5回主治医がみた障害児の東大進学 「自立できる」信じた親のたくましさ

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 難病の脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMA)を患う愼允翼(シンユニ)さん(27)は1浪の末に東大合格を果たし、その後は介助を受けながら一人暮らしも始めました。

 重度身体障害を抱えながらの挑戦はなぜ可能だったのか。SMAの治療の現状は――。允翼さんの元主治医で、東京女子医科大学の斎藤加代子・特任教授に聞きました。

 ――斎藤さんは允翼さんが2歳から小学校までの主治医でした。

 ある日、允翼さんのお父さんから長文のFAXが届いたことがきっかけでした。私が書いたSMAについての学術論文を読み、「専門医のあなたに診てほしい」と。

 允翼さんの両親はたくましい人です。允翼さんが赤ちゃんの時から、将来の自立を考え、行政や学校と粘り強く交渉してきた。その環境づくりがうまくいったケースだと思います。

自立の一歩目は

 ――環境づくりとは具体的に、どういうことでしょうか。

 例えば、まだ允翼さんが幼い…

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