ロシア五輪委会長、テニス選手を「スパイ」 パリ五輪めぐる議論で

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 今夏に開催されるパリ五輪をめぐり、ロシア・オリンピック委員会のスタニスラフ・ポズドニャコフ会長が、国を代表しない「中立選手」として出場を目指すロシア人のテニス選手を、ロシア語でスパイの意味がある「外国の代理人」だとSNSで批判した。世界を転戦するテニス選手の中には、ウクライナ侵攻に批判的な意見もあるためで、プーチン政権は選手への圧力を強めている。

 ポズドニャコフ氏は5日、テニス選手について、「大半の時間を外国で過ごして金を稼ぎ、『自分のためにプレーする』と主張しながら、自国の政策や特別軍事作戦(ウクライナ侵攻)を非難している」と主張。「外国の代理人チーム」と呼ぶのが適切だとの考えを示した。

 「外国の代理人」はロシア語でスパイの意味があるほか、ロシア政府は「外国の影響下」にある人物や団体を指定して活動を規制する「外国の代理人」制度をつくり、人権団体やジャーナリストの抑圧に利用している。

重鎮の五輪批判に選手が反論も

 ロシア選手のパリ五輪出場を…

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2024年4月8日10時54分 投稿
    【解説】

    今のロシアで「外国の代理人」が「売国奴」の意味で一般名詞的に使われるようになっていることを示す例です。 「外国の代理人」はロシア語で「иностранный агент」と書きます。「иноагент(イノアゲント)」という略称もしばしば使

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