実質賃金、23カ月連続で減少 2月1.3%減、給与増でも物価高く

宮川純一
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 厚生労働省は8日、2月分の毎月勤労統計調査(速報)を発表した。物価の影響を考慮した働き手1人あたりの「実質賃金」は前年同月より1・3%減り、23カ月連続で減少した。比較可能な1991年以降で、2007年9月~09年7月と並んで過去最長。物価が賃金の上昇を上回る状況が続いている。

 実際に受け取った名目賃金にあたる現金給与総額は1・8%増の28万2265円で、26カ月連続で前年を上回った。一方、実質賃金の計算に使う2月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が3・3%上がり、この物価上昇分を差し引いた実質賃金はマイナスとなった。

 現金給与総額のうち、基本給などの所定内給与は2・2%増の25万8319円で、1994年の2・1%増以来、30年ぶりに2%を超えた。今年はうるう年で労働日数が1日多かった上、昨年からの賃上げ機運の高まりが影響したとみられる。賞与を含む「特別に支払われた給与」は5・5%減の4786円だった。

 現金給与総額を就業形態別にみると、フルタイムの一般労働者は2・0%増の36万616円、パートタイム労働者は3・1%増の10万5268円だった。

 今春闘での賃上げ率は33年ぶりの高水準となっているが、厚労省の担当者は「春闘の結果が反映されるまでの数カ月間は、実質賃金の好転は考えにくい」と話している。(宮川純一)

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