岸田首相、森氏に電話で聴取 裏金作りの関与「確認できなかった」
自民党派閥の裏金事件をめぐる党所属議員ら計39人の処分決定を受け、岸田文雄首相(党総裁)は4日夜、首相官邸で記者団の取材に応じた。安倍派の組織的な裏金作りへの関与の有無が焦点となっていた元派閥会長の森喜朗元首相への対応について、「私が直接電話をかける形で事情を聴いたが、具体的な関与については確認できなかった」と述べた。
安倍派の裏金作りが始まったのは20年以上前との指摘があり、1998年から06年まで断続的に派閥会長を務めた森氏に聴取するよう、野党が繰り返し要求していた。
首相は森氏への聴取時期や内容を問われたが、「森元総理が具体的に関与したのか、こういったことについてお話をお聞きしたが、新たな事実は確認をされなかった」とだけ述べた。
裏金問題については、「深刻な政治不信を引き起こす結果となったことについては、党総裁として、心からおわびを申し上げる」と改めて陳謝した。
一方、会計責任者が立件された岸田派で会長を務めていた首相自身の処分が下されなかったことについては「不記載となった金額が所属議員に渡ったものではなく、検察当局からも支出について、特段の問題があるとはされていなかった」などと説明した。そのうえで「再発防止、政治改革に全力で取り組まなければならない。それが総裁としての責任である」と強調。「政治改革に向けた取り組みぶりをご覧いただいた上で、最終的には国民、そして党員にご判断をいただく立場にあると考えている」と述べた。
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