米民泊仲介大手エアビーと愛媛県が連携協定 欧米豪からの誘客めざす

川村貴大
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 豪州や欧米から旅行者を呼び込もうと、愛媛県は2日、米国の民泊仲介大手Airbnb(エアビーアンドビー)の日本法人と包括連携協定を結んだ。エアビーが観光促進に向けた連携協定を都道府県と結ぶのは全国初。

 エアビーは民泊やホテルなどの宿泊予約サイトを運営。掲載する物件や宿泊施設は220以上の国と地域の770万件超に上る。

 県とエアビー日本法人は今後、県内のホテルや旅館などの事業者、民泊を運営する個人などを対象にセミナーを開き、サイトへの掲載を進める。

 「地域の文化を深く学ぶことに関心が高く、滞在期間が長い外国人旅行者の利用が多い」というエアビーの特性を生かし、長期滞在や再訪につなげる。

 県庁であった締結式で中村時広知事は、「アジア周辺は(松山空港から)直行便が飛んでいるが、欧米豪にどうアクセスするかは大きなテーマ。欧米豪への情報発信をカバーできるのではないかと期待している」と述べた。

 観光庁の統計によると昨年、県内の宿泊施設(従業員10人以上)に泊まった外国人はのべ18万人弱。半数を台湾と韓国が占める。

 県は欧米豪、特にサイクリングが盛んで時差が小さい豪州からの誘客に力を入れる。昨年は3500人だった豪州からの宿泊者数を2026年に6千人に増やす目標を掲げる。そこで着目したのがエアビーだった。

 日本国内の登録物件・施設は東京、大阪、京都が中心というエアビーも、今回の協定などを通じて他地域への浸透を図る考えだ。

 エアビー日本法人の田辺泰之代表取締役は取材に、「愛媛の魅力を発信するお手伝いができるのを楽しみにしている」と語った。川村貴大

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