AIで見抜く不登校の予兆 「先手」支援へ、埼玉の学校が実証研究

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和気真也
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 子どもが不登校になる兆候を人工知能(AI)を使って把握する試みが学校現場で始まっている。個人情報の取り扱いなど慎重さが求められるが、「先手」を打った支援につなげられないか、関係者は試行錯誤している。

 埼玉県戸田市立笹目小学校の川上奈緒子教頭は、パソコン画面に映し出された児童の名前が気になった。「あれ、なぜこの子が?」。不登校になるリスクが高いと出ている。担任の教員に声をかけ、児童の様子を聞いた。事情を理解し、「しっかり見ていきましょう」と話した。

 川上教頭が見たのは、戸田市が昨年12月に市内の全18小中学校に実証研究として導入した不登校予測システムだ。同市教育委員会の横田洋和・教育政策室長は「データを活用し、少しでも『先手』の支援を子どもたちに行うため」と狙いを説明する。

 出欠や保健室の利用状況、学…

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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2024年4月4日7時0分 投稿
    【提案】

    ガイドラインだけではたして有効な歯止めになるだろうかという懸念を拭いきれない。AIが出す指標を、最初のうちは「これはあくまで参考意見」と使っていたものが、いつの間にか「神の御託宣」になってしまわないかという危惧がある。これは学校現場に限った

    …続きを読む
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    中川文如
    (朝日新聞スポーツ部次長)
    2024年4月5日7時29分 投稿
    【視点】

    このリポートを読んで真っ先に抱いた危惧は、佐倉統さんのコメントプラスが解きほぐしてくださいました。そして、デロイトトーマツの巻口さんの考察。人とAIの関係性、人とAIの未来のあり方の、とってもわかりやすい言語化だなあと。なるほどそうだようね

    …続きを読む