「新生」近江鉄道スタート 上下分離方式認定

武部真明
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 「新生近江鉄道」が1日、スタートした。運行は近江鉄道(本社・滋賀県彦根市)、車両や線路などの施設は沿線自治体などでつくる近江鉄道管理機構が受け持つ「上下分離方式」とする鉄道事業再構築実施計画が同日付で国土交通相に認定された。6日には米原駅滋賀県米原市)で記念列車の出発式が開かれる。

 三日月大造滋賀県知事はこの日の定例会見で、「何よりも安全運行を維持継続することが第一。これまで取り組んできたサービスや利便性向上の対策をさらに進めて充実させ、元気で愛される近江鉄道にしていきたい」と述べた。

 近江鉄道は1896年創業。湖東地域の通勤通学などに利用されてきたが、1994年度から営業赤字が続いた。関係する自治体や事業者らで構成する法定協議会を設置して議論し、2020年に上下分離方式への移行を決定。23年1月、滋賀県と沿線10市町で構成する同機構が設立された。

 今回認定された再構築実施計画の対象は、34年3月31日までの10年間。交通系ICカードの導入などサービス向上を進め、近江鉄道としての収支均衡を目指す。34年度見込みの年間利用者は約473万人とし、22年度実績の約433万人より40万人増やす目標だ。その間の事業費は約147億円としている。

 記念式典は4月6日午前10時半から、米原市役所で開催される。その後、市役所と直結する近江鉄道米原駅でテープカットや記念列車の運行見送りなどを予定している。(武部真明)

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