第4回「イスラエルばかりを批判する国際社会に不信」 入植地に住む男性

有料記事イスラエル・パレスチナ 市民の声 ガザ戦闘半年

パレスチナ自治区ヨルダン川西岸テコア=高久潤

エイタン・ルンドさん(39)「国際社会に不信」入植地の男性

 私は欧米から移住してきた両親のもと、エルサレムで生まれました。育ったのは(パレスチナ自治区ヨルダン川西岸にあるユダヤ人入植地の)このテコアです。仕事は、国外から来たユダヤ人を対象に、この私たちの土地のすばらしさ、歴史の偉大さを伝えるツアーのガイドをしています。観光客は(イスラム組織)ハマスのテロ攻撃の影響で減ってはいますが、今だからこそ自分たちの起源であるこの地域を訪れようと、国外から多くのユダヤ人の若者たちが訪れてもいます。

【連載】イスラエル・パレスチナ市民の声

 イスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲、そしてパレスチナ自治区ガザでの戦闘が始まって半年がたちます。憎しみ、悲しみ、空しさ、不安、そして共存への願い。イスラエルとパレスチナ双方の市民の話に耳を傾けました。

 まず前提として言いますが、パレスチナ自治区と呼ばれるものも含めて、この地域の土地は「神がユダヤ人に約束したもの」です。これは聖書に書かれており、疑う余地はありません。

なぜ国際社会はイスラエルに手かせをはめるのか

 ただし、私はいまこの地に住…

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この記事を書いた人
高久潤
エルサレム支局長

グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術

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    小松理虔
    (地域活動家)
    2024年4月2日19時1分 投稿
    【視点】

    イスラエル、パレスチナ、双方の市民の声。短いインタビューでしたが、なんとも悩ましく暗澹とした気持ちになりましたが、いつも読む記事とはまた違った角度から状況を理解する助けになりました。一方で、安直に「こうすべき」という提言が書かれているわけで

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    ダースレイダー
    (ラッパー)
    2024年4月4日11時19分 投稿
    【視点】

     イスラエル入植者の視座がわかる記事です。そもそもこうした入植政策そのものが植民地主義の継続であるという批判がありますが、その内側で日々を暮らす生活者からは異なった景色が見える。  国際社会の批判という言葉も、アメリカをはじめとする西欧諸国

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