衆院東京15区(江東区)の補欠選挙(4月16日告示、28日投開票)は、都議会最終日の28日からの動きで構図が一気にほぼ固まった。小池百合子・東京都知事が作家の乙武洋匡氏(47)の擁立を公表し、立憲民主党も元江東区議の酒井菜摘氏(37)の擁立方針を決めた。舞台裏では、それぞれの複雑な思惑が交錯していた。
29日の定例会見で、小池氏は冗舌だった。
「都政に邁進(まいしん)している」と補選に関して発言を避けてきた議会会期中の姿勢が一転、「ご自身の経験を生かしてインクルーシブな環境作りで活動してこられた」「今まさに日本大改革が必要。その担い手として頑張っていただきたい」などと乙武氏擁立の理由を詳しく説明。過去に報じられた乙武氏の女性問題を指摘されると、「本人とその点を確認したが、二度と過ちを犯さないということで誠実な活動を続けていることを確認している」と笑顔で返した。
小池氏が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会幹部に乙武氏擁立の方針が伝えられたのは前日の28日だった。幹部の一人は「乙武さんに最終調整の電話をしたのも28日。一気に動かした」と舞台裏を明かす。
「五体不満足」の著者で知ら…