岸田首相は破れかぶれ ジェラルド・カーティスさん語る失われた政治

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聞き手・小村田義之
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 初来日から60年、ずっと日本政治を間近に見続けてきた米国の政治学者で、コロンビア大学名誉教授のジェラルド・カーティスさん。裏金問題で混迷する自民党の機能不全に「政治の創造力が失われている」と厳しい目を向けています。

 ――現状をどう見ますか。

 「最近よく耳にするのが『マグマ』という言葉です。国民の不満がたまっていて、いつどういう形で爆発するかわからない。いずれにせよ、このままでは収まらないでしょう。私は今こそ政治が変わりうる時だと思うのですが」

 ――怒りのマグマの原因はどこにあるのでしょうか。

 「この20年間、日本の社会は大きく変わりました。コーポレートガバナンス(企業統治)改革やマイナンバーインボイス(適格請求書)などで透明化やデジタル化を進めてきました。ところが自民党は全く透明化されない。この社会と政治の乖離(かいり)が国民の怒りを招いています」

 「日本社会には不平等も広がっています。いくら株価があがっても、暮らしはちっとも良くならない。それなのに、政治家は還流されたお金を懐に入れ、全く違う世界にいるように見られている。不平等への憤りも、政治を変える原動力になる可能性があります」

 ――岸田文雄首相は、宏池政策研究会(岸田派)の解散を決めたり、衆院政治倫理審査会に自ら出たりしています。

 「首相として生き残るため…

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