JR「バス下回る利用」自治体「重要交通」ローカル線存廃、協議始動

有料記事線路は続くか

柳川迅 上山﨑雅泰 西本秀 上山崎雅泰 黒田陸離
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 赤字に陥るローカル鉄道の存廃などを話し合う全国初の「再構築協議会」が26日、広島市で始まった。国やJR西日本、自治体が参加し、広島・岡山両県のJR芸備線の一部区間について、利用状況の実証実験などをして3年以内をめどに将来の方針を決める。

 再構築協は、昨年10月に施行された改正地域公共交通活性化再生法で制度が設けられた。各地で赤字路線の廃線を視野に入れる鉄道事業者と存続を望む自治体が対立するなか、国が話し合いを促し、解決策の実現のための費用を補助する。

 今回の協議は芸備線の備後庄原(広島県庄原市)―備中神代(岡山県新見市)間の68・5キロが対象で、芸備線全線(159・1キロ)の約4割にあたる。

シリーズ 線路は続くか

ローカル鉄道が廃線の危機にあります。線路は続くよ どこまでも――。希望を込めて歌うことはできないのか。現場からの報告です。

 初会合ではJR西と自治体の間の溝が改めて浮き彫りとなった。

 JR西は30ページを超す資料を用意し、人口減少や高規格道路の整備で利用者が落ち込んでいると説明。「大量輸送という観点で鉄道の特性を発揮できていない」とし、バスへの転換などを視野に「今より便利で、持続可能性の高い交通体系を」(広岡研二・広島支社長)と訴えた。

 一方、自治体側は「地域住民の大切な移動手段。引き続きJR西の運行がベスト」(上坊勝則・岡山県副知事)、「JR西の今年度の業績予想は伸びている。なぜ維持できないのか説明してもらいたい」(玉井優子・広島県副知事)などと牽制(けんせい)した。

 事務局となる国交省中国運輸局は、廃止か存続かの前提を置かずに「ファクト(事実)とデータに基づき議論する」と中立の立場を強調。鉄道の利用促進策やバスの運行などの実証実験をする見通しという。(柳川迅、上山﨑雅泰、西本秀

「JR西の業績は伸びている」

 鉄道ネットワークはどうあるべきか――。JR芸備線の一部区間の存廃などを議論する全国初の「再構築協議会」の第1回会合が26日、広島市内であった。JR西日本が、利用の低迷で持続が難しいとして、交通手段の再構築のための協議を要請。自治体側は会合で、住民生活を支える鉄道ネットワークの重要性を訴えた。

 再構築協の対象区間は芸備線…

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