「先生、その幸せなお客さん私です」 偶然が重なり東京から届いた本

有料記事いつも、どこかで

若松真平
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 「買った本は一冊たりとも手放せないため、自宅に数万冊収められる図書室作った変人寄りの本好きです」

 本好き事務員さんのX(旧ツイッター)アカウントのプロフィル欄にはそんな記載がある。

 15年ほど前、滋賀県内にマイホームを建てたとき、「図書室」を作った。

 1100冊ほど収納できる移動式の書棚が23個。

 他の部屋にある本も合わせると、蔵書は3万冊ほどになる。

 時代小説やミステリーが多いが、漫画やライトノベル絵本、児童書までそろっている。

 「昔、母に蔵書を全部捨てられてしまった経験があるんです」

 手放したら二度と手に入らなくて読むことが出来ない作品がある。

 そのことを実感して「絶対に本を手放さない」と決めた。

 夫も本好きで、自宅を建てるにあたっては図書室に多くの予算を割いて、土台からしっかり作ってもらった。

 薬局の事務員として働いているが、かつて漫画や絵本の研究を仕事にしていたことがあり、その時の本も並んでいる。

 だが今は、あくまで純粋に本を楽しむための空間として使っている。

一生忘れない本

 そんな図書室に先日、「一生忘れない本」が加わった。

 いくつもの偶然が重なって東京から届いた、特別な本だ。

 見つけたきっかけは、SNS…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年5月12日16時0分 投稿
    【視点】

    “いくつもの偶然が重なる”というのはなかなかないことだと思うが、本がもたらしてくれるもの、本を通した交流がもたらしてくれるものには、「すぐに役に立つか、立たないか」といったことではないところから生まれるものが多いような気がする。本のある人生

    …続きを読む