「お客様、私がこの本の著者です」 言えなかったけれど…つながった

有料記事いつも、どこかで

若松真平
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 漫画「カバーいらないですよね」などの著書がある佐久間薫さん。

 今から20年ほど前、都内を歩いていて書店のバイト募集の貼り紙に目が止まった。

 当時はまだ漫画家デビューしておらず、時給の高かったバイト先が倒産したばかり。

 「今度は楽しい仕事がしたいな~」

 そんな気持ちで応募し、今に至るまで書店員として働いている。

 漫画家になったことを同僚たちは知っていて、新作が出るたびに目立つ場所に置いてくれるので、とてもありがたい。

 平積みか、棚挿しか、特設コーナーか、本は置き方次第で売れ行きが大きく変わる。

 昨年末、6冊目の著書「お家、見せてもらっていいですか?」が発売された。

 「家」をテーマに自由研究に取り組む小学3年生が主人公。

 気になった一軒家を訪ね歩く少年と、家主たちの交流を描いた人間ドラマだ。

取り置きの棚にあったのは

 先日、取り置きの棚を見ていたら、自分の本があることに気づいた。

 「お家、見せてもらっていいですか?」のサイン本だ。

 しかも、依頼主は滋賀在住と…

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