紅麴サプリ回収、機能性表示食品のリスク露わに 専門家の見方は
機能性表示食品のサプリメント「紅麴(べにこうじ)コレステヘルプ」を飲んだ人から腎疾患などの健康被害の報告があり、販売する小林製薬が自主回収をしている問題。健康被害とサプリとの関連はまだ分かっていないが、健康食品がはらむリスクや機能性表示食品制度の欠陥を指摘する声が専門家の中であがっている。
同社は原料となる米紅麴を自社で製造し、協力会社の工場でサプリを生産していた。サプリの一部と紅麴原料の一部から、意図しない物質の存在を示すデータが出ており、カビが産生するものではないかという仮説を立てているという。同社は「おそらく自社工場で原料を製造した際に入ったとみられる」として、物質の同定と、健康被害との関連を迅速に調査するとしている。
「濃縮物を毎日摂取するという健康食品のリスクが端的にあらわれた事件」と、食品安全に詳しい科学ジャーナリストの松永和紀さんは話す。一般の人が食べる食品は、種類や品種、食べる量などが日々変わるのが普通。だが、成分を濃縮して作るカプセルや錠剤などのサプリメントの場合、容易に大量の成分を摂取でき、毎日飲み続ける分、健康へのリスクも大きくなり得る。
「紅麴コレステヘルプ」は、機能性表示食品として、「悪玉コレステロールを下げる」などとうたっていた。機能性表示食品は健康に与える効果(機能性)や製品の安全性の根拠を消費者庁に届け出れば、企業の責任で表示ができる制度で、届け出情報は消費者庁のサイトに公開されている。
このサプリの安全性評価の情…