1月の能登半島地震で大きな被害が出た石川県珠洲市。市内各所にがれきが残り、ほぼ全域で断水が続く。先が見通せない状況に、廃業を選んだ自営業者も出てきた。一方で、再び店を開けた商店や飲食店がある。復興をめざす店主たちは「少しずつでも、やれることをやっていく」と前を向く。
珠洲市は、今回の地震で最も大きな被害を受けた地域のひとつだ。死者103人、全壊した住宅は2800戸近くにのぼる。崩れた家々は、いまもほぼそのままだ。
厳しい状況が続くなか、商いをあきらめる人たちも出てきた。中心部の商店街で精肉店を営んでいた福田知子さん(79)は「店が半壊し、廃業を決めました。地震前から人も減っていましたし、年齢的にも続けられないので」と言う。
店が壊れた、水がない、従業員が戻らない――。市内にはさまざまな理由で先が見通せない事業者がいる。60代の商店主はこう嘆いた。「壊れた店の片づけばかり。収入がゼロで、ガソリン代や電気代といった経費が出ていくので、不安で仕方がありません」
そんな中、動き出した人たちがいる。
市中心部の居酒屋「ろばた焼…
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