高層マンション建設増加 経済優先か景観か 「まちはどこへ」(上)
盛岡市の中心部で高層マンションが建設ラッシュの様相を見せている。
とりわけ目立つのが、街なかを流れる中津川の南東側に広がる「河南地区」と、その周辺。盛岡城下の名残が残るエリアだ。
15階建て(56戸)▽14階建て(73戸)▽19階建て(暫定106戸)▽14階建て(52戸)▽13階建て(48戸)▽14階建て(65戸)……。計画中を含めて、少なくとも6棟(計400戸)の建設が進んでいる。
売り出されているマンションの折り込み広告には、2~3LDKで3千万円台、岩手山の眺望が望める部屋だと4LDKで約6千万円などの価格帯が並ぶ。
あるマンション事業者が周辺住民を対象に開いた説明会では、盛岡市の分譲マンションは仙台市より売れ行きがよく、医学系大学に子どもを通わせる親が購入するケースが多い、などの説明があった。
主に中古マンションを取り扱う不動産業関係者も、「需要は多い」と語る。「戸建て住宅を売ってマンションに住み替える人が増えています」
冬季に雪かきの負担をなくしたいという東北特有の事情があるという。
また、築22年を過ぎると一気に価格が下がる戸建てに対し、マンションの下落率は低い。そのため将来処分しやすいマンションに住み替える人も少なくない。
かつてのニュータウン地区に住む高齢者が転居先に選ぶケースも多く、車がなくても買い物などに不自由が少ない中心市街地を好む傾向が見られるという。
浮かぶ価値観の違い
盛岡市は昨年、米紙ニューヨ…