JR美祢線 「主」なき100周年 被災9カ月、代行バスがつなぐ

有料記事線路は続くか

向井光真 白石昌幸
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 JR美祢線は23日、厚狭―長門市間の全線開通から100周年になる。だが、昨年の豪雨で被災し、全ての区間で運休が続く。節目を迎えようとする路線の「主」が不在の中、沿線の足を支えている代行バスに乗った。

シリーズ 線路は続くか

地域の「足」ローカル鉄道の存廃問題。現場取材や多くの関係者へのインタビューで深めます。

 3月上旬の平日、午前7時40分ごろ。「下り」の第2便が山陽小野田市の厚狭駅を出発した。スマホで漫画を読んだり、うたた寝したり。車内は学生服姿の高校生が目立つ。

 バスは南北を結ぶ美祢線の、湯ノ峠を除く11の駅に順に停車する。厚狭駅の先の厚保駅(美祢市)を過ぎると15人のうち11人を高校生が占めた。

 聞くと、公立高校の3年生は卒業式を終え、普段のバスより空席が多いという。ただ、バスの定員は最大75人で列車の1両と比べて7割ほど。乗っていた高校生は「バスは鉄道より狭いし遅い。鉄道の方が良かった」とこぼした。

 山あいを抜け、美祢駅(同)で高校生6人が下車した後、バスは美祢青嶺高校の敷地内に入っていった。登校時間に重なるこの便だけ、同校の生徒のために臨時停車するという。生徒の一人は「校舎近くにとまるので、通学が楽になった面もある」と喜んでいた。生徒6人を下ろすと、乗客は中高年ら4人に。

 於福駅(同)では駅舎から1…

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