第4回「みんな行く場所ない」派閥解散で迷える議員 岸田派頼るツールとは

有料記事派閥の蹉跌 解剖自民党

松山尚幹
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 「今回の件がなくても、もう派閥政治は限界だと思っていた」

 一時は100人まで膨れあがった自民党安倍派の「5人衆」の1人は同派の解散決定後、周囲に漏らした。「今回の件」とは裏金事件のこと。そして続けた。「1人で派閥を率いる集金力や人間力を併せ持つ政治家は永田町にはもういない。事件は『派閥再編』のいいきっかけになる」

 無派閥を貫く中堅議員も似た考えを持っていた。「派閥自体が悪いとは思わないが、今のやり方を壊して一から考えるべきだ」

 首相の岸田文雄による1月18日の自派閥の解散表明を受け、派閥は次々解散を宣言。3月17日の党大会では、議員集団が資金と人事と完全決別する「派閥禁止」が決まった。

 6派閥のうち、従来通り、木曜正午に事務所に集まり、昼食をともにする習わしを続けるのは麻生派のみ。党内の非公式な組織でありながら、党内統治の基盤だった派閥は崩れ、粘土のような固まりだった議員集団はバラバラの砂になった。孤独の不安を抱える議員たちは、「派閥再編」に向け、模索を続ける。

 岸田派は解散決定後、若手が…

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    曽我豪
    (朝日新聞編集委員=政党政治、教育改革)
    2024年3月21日15時14分 投稿
    【視点】

    派閥解散を思い立った際、岸田文雄首相はある自民党幹部に「でも、人間関係は残ります」と言ったそうです。聞いた幹部も即座にそう思ったと言っていましたが、首相の腹の中には来たる自民党総裁選で20人の推薦人を集める底意があったと私も思います。 偽装

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