最短ルートで運転手の労働や燃料費を軽減 AIで挑む地域交通の課題

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松尾葉奈

 人口減少で利用者が減る。ドライバーの残業規制が強まる「2024年問題」も控える。そうした事態を受け、各地で路線バスの廃線や再編が相次いでいる。困るのが、通院や買い物などの「足」の確保だ。そんな課題を、AIやデジタル技術で解決に乗り出す動きが広がっている。

 岩手県紫波町。人口3万3千人の町では20年3月末、バス事業者の岩手県交通が運行する「コミュニティバス」が、運転手不足で廃線になった。町役場や商業施設がある中心部と町の東西をつなぐ公共交通が貧弱になり、町民が不便を強いられる状況になった。

 課題解決の一つとして実現したのが、AI配車システムを活用したデマンド型乗り合いバス「しわまる号」だ。

 盛岡市や近郊を走る「ヒノヤタクシー」(盛岡市)が町に事業提案し、同社が事業主体となって、20年4月から運行を開始した。

 デマンド交通とは、利用者からの要請(デマンド)に応じて運行する乗り合い型のバスやタクシーだ。岩手県内では路線バスなどの再編・廃止を受けて、20市町村が導入、またはその実験をしている。

 自治体によって、乗降場所や運行時間が決まっているケースもあるが、しわまる号は路線や時刻表を設定しない「ドアツードア方式」「フルデマンド方式」と呼ばれる。

タブレット端末に計算ルート表示

 利用者が専用の電話やウェブ…

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