下村・元文科相「分からない」「覚えていない」 裏金の実態解明遠く

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大久保貴裕
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 自民党派閥の裏金事件を受け、安倍派の事務総長だった下村博文・元文部科学相が18日、衆院政治倫理審査会に出席した。2022年に政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分の還流が復活した経緯について「分からない」と繰り返した。自身は5年間で476万円の還流を受けていたにも関わらず、還流自体を同年まで知らなかったと説明。政治資金収支報告書への不記載を把握したのは昨年末だったとした。実態解明とはほど遠い説明にとどまった。

 還流をめぐっては22年4月、同派会長だった故・安倍晋三元首相が現金での還流廃止を打ち出し、死去後の同8月5日に幹部の下村氏、西村康稔・前経済産業相、塩谷立・元文科相、世耕弘成・前党参院幹事長と事務局長の計5人が集まり、対応を協議したことが明らかになっている。塩谷氏はこの場で「継続(復活)が決まった」、西村氏は「結論は出なかった」として証言が食い違っている。

 18日の衆院政倫審で、下村氏は22年8月の協議について「還付(還流)をやめることを前提に議論したが、結論が出なかった」と説明。「いつ、誰がどんな形で(還流復活を)決めたかは存じていない」と述べ、自身の関与を否定した。

 下村氏は、ノルマ超過分の現…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2024年3月18日19時0分 投稿
    【視点】

    ちょっとでも期待した私が愚かでした。これが最近まで自民党で最大派閥の幹部だった面々のレベルです。自民党が最も改革すべきは派閥のかたちではなく、派閥の実質的な弊害であるこうした無責任体制ですが、最大の矛盾は、裏金問題を検察に立件されるまでこの

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