自民党・安倍派(清和政策研究会)の裏金事件をめぐり、18日の衆院政治倫理審査会に同派の事務総長だった下村博文・元文部科学相が出席する。これまでの派閥幹部らと違い、下村氏は派閥元会長の森喜朗元首相と疎遠だ。裏金作りへの関与が取り沙汰される森氏について、何を語るのかが注目されている。
政倫審は18日午後3時10分から。15分間の弁明と1時間5分の与野党との質疑は公開され、テレビで中継される。下村氏は出席の申し出書を出した12日、記者団に「事前に話したら意味ないから。詳細は政倫審で」と述べた。
安倍派で誰がいつ裏金作りを始め、何に使っていたのかは、いまだ明らかになっていない。政倫審の焦点は、大きくふたつ。ひとつは森氏の関与の有無について、下村氏が何を語るかだ。
森氏は1998~2006年(首相在任期間をのぞく)に同派の会長を務めた。自民の聞き取り調査の報告書は、政治資金収支報告書への組織的な不記載が始まった時期について「遅くとも十数年前、場合によっては20年以上前」と記す。同派座長の塩谷立・元文科相は1日の衆院政倫審で「二十数年前から始まったのではないかと思う」と説明した。森氏が派閥トップにいた時期と、裏金作りが始まったとみられるタイミングは重なっている。
ただ、塩谷氏を含め、衆参の政倫審に出席した松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、高木毅前国会対策委員長、世耕弘成前参院幹事長の5人は「関与していたという話は聞いたことがない」(西村氏)などと森氏の関わりに口をつぐんだ。岸田文雄首相も「具体的に森元総理の関与を指摘するような証言は確認されていない」(6日の参院予算委員会)と話す。
しかし、下村氏はこれらの安…
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