遊郭から温泉旅館、少年院になった安曇野の洋館 芸術家の活動拠点に

有料記事

安田琢典
[PR]

 明治時代に遊郭として建てられ、その後は温泉旅館、少年院、集会所と用途が移り変わるなど異色の運命をたどった瀟洒(しょうしゃ)な洋館が、若手芸術家たちの活動拠点に生まれ変わる。連続ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の舞台にもなった更生施設の洋館を、長野県安曇野市が改装。市民と芸術家の交流拠点としての活用もめざす。

 市教育委員会文化課によると、雄大な自然に恵まれる同市穂高有明に立つ「鐘の鳴る丘集会所」は、木造2階建ての洋風建築。1905(明治38)年に長野市善光寺の近くに遊郭として建設され、21(大正10)年に温泉旅館として利用するため安曇野市内に移築された。

 ところが、温泉の温度が低かったため旅館としては不向きで、ほどなく空き家状態に。戦後間もない46年からは青少年の更生施設として使われるようになった。この施設は「塀のない少年院」として知られ、47年から600回以上にわたってNHKで放送された菊田一夫原作のラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の舞台となった。

目をつけた東京芸大卒の若手

 合併前の旧穂高町は80年…

この記事は有料記事です。残り979文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら