ロシアによる全面侵攻が3年目に入り、欧米の支援の停滞で苦境に置かれたウクライナが今、さらにもう一つの深刻な問題に直面している。兵力不足と、長引く戦闘で疲弊した志願兵らに替わる新たな兵士の動員だ。
「動員強化は絶対に必要だ。志願兵が休めないのも公正じゃない」。キーウの会社員アルテムさん(27)はこう断った上で、心境を吐露した。
「でも、軍に行くには僕は臆病すぎる」
現行法の動員年齢に達したアルテムさんは、いつかは自分も動員されると覚悟している。今議会で審議が続く法案が成立すれば、これまで直接渡されていた召喚状がオンラインで送られてくる可能性がある。住む場所を変えて動員を免れることも難しくなる。
ただ、可能な限り「その時」が来るのを遅らせたい。働き手を失うことを恐れる勤め先からは出国を勧められているが、それは「自分の愛国心」が許さないという。
「軍に行かないのは、僕のように死を恐れるか、国や社会を全く気にしない人間。どちらも国が法律で動機づけるのは不可能だ」と話した。
賄賂や偽造 後を絶たない違法出国
戦時体制下で18歳以上60…
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