「会社、嫌いになりたくない」 徳島新聞労組がスト決行、デモ行進も

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山田健悟
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 徳島県の地方紙、徳島新聞を発行する一般社団法人徳島新聞社(徳島市)が人件費削減策として取材や記事の執筆などを担う編集部門を分社化する計画をめぐり、労働組合は14日、計画撤回の回答が経営側からなかったとして、29年ぶりにストライキを決行した。午後2時から約2時間、組合員らが業務から離脱した。

 労組によると、ストには約120人の組合員ほぼ全員が参加した。徳島市内では、スト決行に合わせて労組が集会を開き、約70人が集まった。

 昨年末に分社化案に反対する声を上げ、労組に取り組みを促した若手組合員の一人、美馬支局長の藤川紫音さん(27)は、「みんな、地域の報道を支えるために、どうすればいいのか考え、一生懸命働いてきた。誇りも持っている。だから、会社を嫌いになりたくない。(経営側は)真摯(しんし)に声を受け止め、納得のいく説明をしてほしい」と訴えた。

 経営側が提示した計画は、分社化で2025年以降に採用する新入社員の賃金水準を大幅に引き下げることが柱。集会後、組合員らは「次世代搾取No!」と記した横断幕を先頭にデモ行進した。本社屋の前では「地域報道、守り抜こう」「立派な社説が泣いてるぞ」などとシュプレヒコールを上げた。徳島新聞社は、この日のストについて「(業務に)影響はなかった」とコメントした。(山田健悟)

「記者も自らの役割や意識を問い直してほしい」。記事後半では、ジャーナリズム論が専門の慶応大名誉教授に今回の労使対立について話を聞きました。

慶応大の大石裕名誉教授(ジャーナリズム論)の話

 米国では地域のニュースを伝…

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