ゴジラ山崎貴監督、受賞会見の一問一答 「視覚効果賞は聖域だった」
第96回米アカデミー賞でアジア初の視覚効果賞を獲得した「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」。オスカー像を手にした山崎貴監督、VFX(視覚効果)ディレクターの渋谷紀世子さん、3DCGディレクターの高橋正紀さん、エフェクトアーティスト・コンポジターの野島達司さんが12日夜に帰国し、羽田空港で受賞記念記者会見を開いた。
会見の詳細は次の通り。
「本当はシュワルツェネッガーさんから…」
山崎 今日はお集まり頂きありがとうございます。本当にどうなることやらと思いながら臨んだオスカーでしたが、最高の結果になりまして今は本当にほっとしております。今日は短い時間ですが、色々聞いてください。
渋谷 私の仕事はVFXディレクターです。主に監督がプロットを書いたところから撮影まで、その間でいろいろなカットをどう撮っていくかというのをVFXを含めて設定していく仕事をしています。どうぞよろしくお願いします。
高橋 本作で3DCGディレクターを務めております。僕の役割としては全体のスタッフの振り分けです。それとクオリティーコントロール。皆さんご存じの通りで人数が少ないので、もちろん僕もカットシーンを担当しています。どうぞよろしくお願いします。
野島 エフェクトアーティストとコンポジターをやっています。エフェクトアーティストとしては、今作でいうと海のシミュレーションとレンダリング指定。僕はもともとコンポジターという2DでCGのレンダリング画像を最終的な納品形態にする仕上げ作業もやっていました。両方をやっていたので、自分でシミュレーションから、レンダリングから、コンポジットから、最終仕上げまで全部やらせていただきました。
――オスカー像を手にした感想は。
山崎 想像をはるかに超える重さでちょっとびっくりしました。結構緊張していたんですけど、一瞬それを忘れるぐらいの重さで。でも、ああ本当に今オスカー像を持っているんだとすごくうれしかったです。ダニー・デビートさんとアーノルド・シュワルツェネッガーさんがいて、シュワルツェネッガーさんからもらいたかったんですけど……。もちろんダニー・デビートさんからもらうのもうれしいのですが。その後にシュワルツェネッガーさんとはちゃんと握手ができたので(笑)
渋谷 もちろん取りたかったんですけど、取れるかといったら自信はそこまでなくて。みんなで『五分五分』と言っていました。私は言霊になるといけないなと思って、ずっと取ると言っていました。取った瞬間はもうびっくりして舞い上がっちゃって。直前には景気づけに配られたテキーラもあって。それもあってテンションが上がってしまいました。
高橋 ゴジラと名前が呼ばれるまでは、僕も取れたらいいなとは思っていましたが、これで取れないと落胆するので。ノミネートだけでも十分だなと思っていました。取れた時は頭が真っ白というか。監督が本当は欲しかったシュワルツェネッガーさんから僕はトロフィーを頂きました。目を見ただけで本当に良い人だというのが分かりました。
野島 僕もシュワルツェネッガーさんから頂きました。呼ばれる3秒前ぐらいに、子どもの時に授業中に急に呼ばれるような感覚を思い出しました。同じなのだなと思いました。その後、壇上に上がる間に何が起こったのかだんだん頭が理解して、手足に感じたことのないしびれが出ました。その後の山崎さんの英語のスピーチで……(笑)
山崎 なんで笑うの。
「そんな誘導尋問には乗るもんか(笑)」
野島 会場の皆さんが温かく見守ってくださっているのが忘れられなくて。本当にいい場所だなと思いました。
――日本のVFXの到達点を…
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