駅伝にかけた35年間 科学的指導で頂点に立った神奈川大の大後氏
上嶋紀雄
神奈川大学を箱根駅伝や全日本大学駅伝で優勝に導いた大後栄治氏(59)が、1月の第100回箱根駅伝を最後に陸上競技部駅伝チームの監督を退任した。人間科学部の教授=スポーツ生理学、コーチング学=の顔も持ち、理論的な強化方法で一時代を築いた。
1989年にコーチに就任し、35年間、重圧と戦いながら過ごしてきた。大後氏は「寂しい気持ちは少しはある。でも、どちらかというと責任から解き放たれた感じ。ほっとしている」と笑みを浮かべた。
川崎市出身で中学では野球部に所属。将来は体育の教師になろうと、日体荏原高校(現日本体育大学荏原高校、東京都)に進み、陸上部に入って長距離を走った。
箱根全区間を歩いて調べる
日体大に進学し、陸上部に入ったが、椎間板(ついかんばん)ヘルニアが悪化し、1年の夏過ぎにマネジャーに転身した。長距離の監督とコーチが不在だったため、上級生になると駅伝チームの運営を任された。
ここから続き
当時、箱根の全区間を歩いて…