進んだ復興事業、人口減に直面する被災地 東日本大震災から13年

矢島大輔 本山秀樹
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 全国で2万2222人の死者・行方不明者(関連死を含む)が出た東日本大震災から11日で13年となる。津波被災地で宅地整備などの復興事業はほぼ終わったが、人口減は止まらず、住民の定着が課題だ。

 警察庁によると、震災による直接の死者は全国1万5900人、行方不明者は昨年から3人減の2520人(1日現在)。復興庁によると、関連死は3802人(昨年末現在)で、6年で約100人増えた。ピーク時に47万人だった避難者は約2・9万人(2月1日現在)で、9割近くが福島の故郷を追われた人だ。

 岩手、宮城、福島の3県が国勢調査を元に毎月公表する人口の推計値を使い、主に2月1日時点と震災前の2011年3月1日時点とを比較した。被災した沿岸43市区町村は12・7%減で、3県全体より減り幅が3・5ポイント大きい。

 特に津波被害が深刻だった岩手県大槌町や宮城県女川町、同県南三陸町で減少率が3割を超えた。一方、東北随一の都市・仙台市やその近郊では増加が目立つ。

 さらに、東京電力福島第一原発事故の影響で人が住めない「帰還困難区域」が7市町村に残る福島県では、浪江、双葉、大熊、富岡各町の減少率が8割超と依然厳しい状況だ。

 インフラ整備などで20年度までに約31兆円を費やした復興予算は、原発事故の被災地や心のケアに中心が移った。

 また昨年8月に始まった福島第一原発の処理水の海洋放出を巡っては、中国が日本の水産物の輸入を停止したままだ。原発の60年超運転が可能となる法律が成立するなど原発回帰が進み、東北電力は被災した女川原発2号機(宮城県)の9月ごろの再稼働を目指す。(矢島大輔、本山秀樹)

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    福田充
    (日本大学危機管理学部教授)
    2024年3月11日11時15分 投稿
    【視点】

    本日3月11日、2011年の東日本大震災ならびに福島第一原発事故から13年を迎えました。この震災で亡くなられた犠牲者の方々のご冥福を改めてお祈りし、被害にあわれた被災者の皆様お一人お一人の生活の復興、心の復興を改めて願います。 13年とい

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