大和和紀さんと山岸凉子さんの2人展 記者会見での一問一答

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日浦統
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 「あさきゆめみし」の大和(やまと)和紀(わき)さんと「日出処(ひいづるところ)の天子」の山岸凉子さんの2人展が、青春時代を過ごした札幌市の東1丁目劇場で始まった。40年以上にわたって読まれ続ける代表作をもつ少女漫画の巨匠2人による初めての企画展。大和さんと山岸さんの記者会見での一問一答は以下の通り。

――お互いの作品で、好きなキャラクターがありましたら、教えてください。

大和「バランスのとれた蘇我毛人(そがのえみし)。普通人としての物事の見方、振り回されていく姿とか、一般人としての視点がいいなと思う。あとは刀自古郎女(とじこのいらつめ)は気が強くて、かっこいいな、という見方です」

山岸「光源氏は女性から見ると、これは……というところがやっぱりね。それを大和さんは頑張って、読者のために正当化して頑張って描いてくる手腕がすごいな、と。力技だなと思っております(笑)。一番好きなのは紫の上とか。正直泣きましたね。だって死んでいくのに、光源氏のことを心配する人がその瞳を見ながら死んでいくんですよね。いや、すごいなと思っていました」

――二つの作品の連載中に多かった反響や印象に残っている感想がありましたら教えてください。

大和「連載以降の読者さんは『これは源氏物語なんだ』ということを意識して読んでくださってますけど、最初の人たちは『前置きがない』っていうのが多くて『源氏を許せません』というのも多く。あとは死ぬことになってる人物を『殺さないでください』といった希望も多かった」

山岸「私はひどいことに、当時いろいろ来るファンレターを一切読まずという姿勢でしたので、当時、どういう風になっていたのかよくわかりません。なぜ読まないかというと、読者が何げなく書いた手紙を妙に意識しちゃって、素直に読み進められないんです。当時、一生懸命書いてくれた読者には申し訳ないと思っています」

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