森元首相「超法規的尽力を」 能登復興めぐり岸田首相と同席の催しで

自民

川辺真改
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 岸田文雄首相は9日、東京都内のイベントで、裏金事件があった自民党清和政策研究会(安倍派)の元会長、森喜朗元首相と同席した。野党側は裏金づくりの経緯を森氏に確認するよう求めているが、岸田首相は応じておらず、この日の催しでも話し込む様子は見せなかった。森氏は式典あいさつで能登半島地震の復興を訴える際、「超法規的」との言葉も使った。

 イベントは東京・八重洲にオープンする石川県のアンテナショップの記念式典。石川県は森氏の地元で、馳浩知事らも出席した。首相は式典前、森氏の方に歩み寄り、数秒だけ立ち止まって会釈した。

 首相はイベントのあいさつで、「北陸の復興を応援する拠点となるような場所になればと期待している」と語った。森氏は「新しい能登半島を作ってほしい」とした上で、「超法規的なことで能登の再生、復興のためにご尽力いただくようお願い申し上げる」などと述べた。岸田氏は式典後、森氏らと握手を交わし、足早に会場を去った。

 安倍派の裏金問題に関し、野党側は森氏を聴取すべきだと主張しているが、首相は「必要ない」との立場をとり続けている。6日の参院予算委員会でも「関係者の聞き取り調査で、森氏の直接の関与を示す証言などは確認されていない」などと述べた。(川辺真改)

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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2024年3月9日16時53分 投稿
    【視点】

    発生から2カ月以上を経てなお、能登半島の被災者の方は厳しい状況にあります。そうした被災者支援に向け、意気込みとして「超法規的」にでも、必要なことは何でもやるとの覚悟は大切です。  一方で、森喜朗元首相をめぐっては、会長を務めた自民党の清和

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    内田晃
    (朝日新聞政治部次長)
    2024年3月9日18時8分 投稿
    【視点】

    自民内から「超法規的」といった発言が時々出てくるので、あえて指摘します。  復旧・復興は、法律の枠内で万全の対策をとるべく最大限の努力をする。それでどうにもならない状況が出てきたなら、きちんと議論したうえで法改正を検討する。それが、一

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