原発事故時の防護施設、能登半島地震で損傷 14施設でひび割れなど
土井良典
石川県は7日、北陸電力志賀原発で事故が起きた際に高齢者や障害者が放射性物質から身を守る県内20の「放射線防護施設」のうち、14施設が能登半島地震で被災し、このうち6施設が防護に支障が来す程度の損傷だったと明らかにした。
7日の県議会総務企画県民委員会で県幹部が説明した。同施設は原発30キロ圏内に点在する学校や体育館、病院などが指定され、気圧を調整して放射性物質が入り込まないようにするなどの対策が取られている。
県によると、志賀町の12施設を含む7市町の20施設(2466人分)のうち、14施設(1632人分)で建物がひび割れるなどした。うち6施設(693人分)では防護機能に支障を来した。なかでも、志賀町の町総合武道館と富来小学校では避難者を受け入れられなかったという。
防護施設は避難が困難な時の屋内退避に使われるが、志賀原発の避難経路は今回の地震で11ルートのうち7ルートが寸断された。県は「反省すべきところはしっかり反省したい」とし、避難計画の見直しを含めた対策を進めるとしている。(土井良典)…