日本と急接近のインド、「中国を刺激しても構わない」と方針転換

有料記事岸田政権

聞き手・高橋杏璃
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 日印が接近する中、7日夜には訪日中のインドのジャイシャンカル外相が上川陽子外相と会談し、さらなる連携強化を確認します。近年の日印両国の接近の背景には、インド側の対中政策の転換と、日本とは「正反対」な強気の外交姿勢があるようです。中京大総合政策学部の溜(たまり)和敏・准教授に解説してもらいました。

 ――日印関係が深まっています。

 日本側というより、インド側の対中政策の変化の影響が大きいと言えます。地政学的に考えると、21世紀以降、インドにとって最大の対外的脅威は中国です。日本も国家安全保障戦略で中国を「最大の戦略的な挑戦」としていますから、日印が連携することのメリットは大きいといえます。

 インドは昔から中国と国境紛争を抱えていますが、もともとは「協力できるところは協力する」というスタンスでした。現実問題として、軍事・経済力で上回る中国と単独で戦っても勝てませんから。中国を刺激しすぎないことが大事でした。

 しかし、私の考えでは、インドは2020年ごろを境として、中国と敵対することを前提として「刺激しても構わない」という方針に変わりました。

 ――なぜですか。

 インド側から見ると「これま…

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