カンサイのカイシャ ここがオモロイ!
大人になって友だちを作るのは難しい。音楽の趣味をきっかけにしたくても、どう仲間を見つけたら――。そんな悩みを解決したいと思った人たちが、意外な業種から起業しました。音楽をやりたいけど深く眠っている人を起こし、つなげたい。この思いを前面に出して突き進みます。
昨年11月25日、堺市の大泉緑地に約350人がエレキギター、ベースなど思い思いの楽器を抱えて集まった。小学生もいれば、60歳を超えた人もいる。この日のために久しぶりに楽器を手に取った人もいた。
初対面の人たちで同じ楽曲を「せーの」で演奏するイベント「千のRock You!!」。クイーンの「We Will Rock You」やザ・ブルーハーツの楽曲など計3曲を青空の下、みんなで奏でた。
呼吸を合わせるべく、舞台上で指揮棒を振ったのは、イベントを企画した株式会社「Every Buddy」の代表取締役、大橋優也さん(40)だ。
もう一人の代表取締役、松本恵さんは、奏者の間をまわって手をたたくなど会場を盛り上げた。
「イベントをきっかけに初対面の人どうしがお酒を飲みにいくような光景を見て、本当にこれだなと思った」
松本さんは高校生のころからバンドでギターとボーカルを担当した。社会人になってからも続けたが、メンバーの1人が体調を崩し、バンド活動ができなくなった。その経験から、「一緒に音楽をやるのは一から仲間を探して日程調整して……とハードルがある。それを円滑にできないか」と思うようになった。
2019年春だった。
勤務先の親会社は南海電鉄…