向かい風は強くても前へ 続いてきた男女平等の長い列 樋口恵子さん

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聞き手・山口宏子

 3月8日は国際女性デー。一つ一つ声を上げ続けて半世紀、まだまだ課題は多いけれど、社会は「正しい方向」に進んでいる――。評論家の樋口恵子さんは、男女平等を目指す歩みに加わる次世代の人々に、そうエールを送ります。

ひぐち・けいこ 1932年生まれ。東京家政大学名誉教授。女性団体の代表や政府の男女共同参画審議会の委員などを数多く務めてきた。

 不平等解消が「ようやくここまで来た」と感じることが増えているのは、喜ばしいです。一方で「まだまだ」なことも、決して少なくありません。

 先日、自民党副総裁の麻生太郎さんが外務大臣上川陽子さんを「おばさん」とか、さほど美しくないなどと言って批判されました。

 仕事について語るのに、女性の場合、能力や成果ではなく、その人が若いかそうでないか、容姿がどうのこうのといった意味のない「脇」の話がまず出てくることは、よくある。私は「現代日本の超高層ビルの最上階に、古い家父長制が棲(す)みついている」と言いますが、その典型例ですね。医大入試での女性差別が発覚したのも最近のこと。課題はまだ多いです。

 一方で、「正しい方向」に進んでいると思うこともあります。

 例えば、このところ宝塚歌劇…

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