憲法学者らが改憲5会派に公開質問状 任期延長は「居座りの危険」

編集委員・北野隆一
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 憲法改正を求める各政党に対し、憲法学者や法律家らが公開質問状を送り、4日に国会内で記者会見した。自民党など5会派が「国家有事や大規模自然災害などの事態に備え、国会議員の任期延長を認める改憲が必要」と主張しているのに対し、「国民の選挙権を制限し、議員や政権が居座る『緊急事態の恒久化』の危険性にどう対処するのか」とただしている。

 質問状は日本民主法律家協会や自由法曹団など法律家6団体と憲法研究者ら23人の連名。昨年12月と今年2月の2回、自民、公明、維新、国民民主、有志の会の5会派に送ったが、回答がないという。

 藤井正希・群馬大准教授は「安易に国会議員の任期を延長することは、憲法上の国民の選挙権を侵害し、国民主権に反する。憲法ではなく公職選挙法を改め、災害に強い選挙制度を作って対応すべきだ」と批判。稲正樹・元国際基督教大教授は「緊急事態に名を借りて国民の選挙権を行使できなくし、憲法の基本原理を壊そうという企てだ。台湾では大陸から来た議員の改選が停止され、40年以上にわたり居座った」と海外の実例を紹介しつつ論じた。(編集委員・北野隆一

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