安倍派の下村元文科相、政倫審に出席意向 森元首相めぐる発言焦点に

森岡航平
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 自民党安倍派による組織的な裏金事件をめぐり、同派事務総長経験者の下村博文・元文部科学相が4日、衆院政治倫理審査会に出席する意向を記者団に表明した。下村氏は森山裕総務会長に「政倫審が再び開催されるならば党と相談し、しっかり説明を果たす準備をしている」と3日に電話で伝えたと明かした。

 安倍派幹部4人が出席した1日の政倫審では、会長だった安倍晋三元首相の死去前後の2022年春から夏にかけ、パーティー券販売のノルマ超過分を所属議員に還流する方針が変遷した経緯の一端が明らかになった。

 ただ、幹部が違法性を認識した時期や還流の継続を決めた経緯など事件の核心部分は、不明のまま。会長代理だった下村氏の政倫審出席が実現すれば、一連の経緯が明らかになり、実態解明が進む可能性がある。

 野党は、1月31日の下村氏の会見に注目している。下村氏は従来の還流に代わる代替案として「個人の資金集めパーティーに上乗せし、収支報告書で『合法的』な形で出す案もあった」と証言。上乗せ案を巡るやりとりは、1日の政倫審で22年8月上旬の幹部会合で出たことを西村康稔前経済産業相が認めている。野党は「合法的」発言について、遅くともこの時点では、派幹部が還流の違法性を認識していたことの裏付けになるとみている。

 派閥会長を長く務めた森喜朗元首相の関与をめぐる下村氏の発言も大きな焦点になる。

 岸田文雄首相は4日の参院予算委員会で安倍派幹部の政倫審での証言について「食い違いについては私は判断できない。国民の関心事について説明が行われることが期待される」とだけ述べた。また、4月にある三つの衆院補欠選挙にあわせた衆院解散については「まったく考えていない」と語った。(森岡航平)

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