豪雨被災の小学校150年の歴史に幕 「当たり前の日常に感謝」

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今村建二
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 2020年の豪雨で被災した熊本県球磨村の渡(わたり)小学校が3月末で約150年の歴史に幕を閉じる。3日、豪雨前まで校舎があった広場で閉校式があり、在校生や卒業生、地域の住民ら約300人が思い出を語りながら、別れを惜しんだ。

 1874年10月に開校した渡小は、1936年に球磨川と支流の小川が合流する小川地区に落ち着いた。81年に新しい校舎ができたが、2020年7月4日の豪雨で氾濫(はんらん)した川の濁流にのみ込まれ、泥だらけに。隣の特別養護老人ホーム「千寿園」では入所者14人が亡くなった。渡小も校舎が使えなくなり、約5キロ下流の一勝地小と球磨中に移らざるをえなかった。

 村全体で人口流出が続き、昭和30年代には500人以上いた渡小の児童数もいまは48人に。村内の3小中学校を単独で維持するのも難しくなり、4月から小中一貫の球磨清流学園に統合されることになった。

 球磨中と一勝地小の校舎は新学園に引き継がれるが、渡小の校舎は昨年夏までに解体された。

 3日の閉校式は、かつて校舎があり、今は更地となった広場で開かれた。

 児童代表であいさつに立った6年生の中津桃佳さん(12)は「6年前、この場所にあった立派な体育館での入学式。正面に巨大な校章があり、とても緊張しました」と振り返った。

 「3年のときの水害は、前の…

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