「やめて」が日本人の女性へ誤解生む? 翻訳者・水野衛子さんに聞く

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聞き手・守真弓

 拒絶の意味を示す「やめて」という日本語が、海を越えて、中国ではひわいな言葉として知られているという。その背景や、日本と中国の言語の違いについて、「初恋のきた道」「北京ヴァイオリン」といった映画の字幕翻訳などで知られる翻訳家の水野衛子さんに聞いた。

――「やめて」という日本語は中国では、とても有名だそうですね

 「やめて」というのは今、中国で一番有名な日本語の一つだと思います。ちょっと上の世代には、戦争映画でよく日本兵が言う「めし」という日本語が有名でした。その後、中国で日本のアダルトビデオの海賊版が広まると、若い世代、とくに男性を中心に「雅蠛蝶」という当て字でひわいな言葉として広がっていきました。

 たとえば2014年の「撒嬌…

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この記事を書いた人
守真弓
文化部
専門・関心分野
東アジアのエンタメ文化
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    吉川ばんび
    (作家・コラムニスト)
    2024年3月5日19時16分 投稿
    【視点】

    日本人女性に対する差別のお話です。眉間にしわを寄せながら嫌悪感たっぷりで「なるほど」と本文を読みましたが、中国人男性だけでなく、「やめて」という言葉には「受容」の意味を含んでいると勘違いしている日本人男性も多くいるのではないかと思います。私

    …続きを読む