フランス映画界に#MeToo「第二波」 性被害告白、男性にも動き

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パリ=宋光祐
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 フランス映画界で、大物監督や俳優からの性加害を公表する動きが広がっている。2月23日にあったフランス映画の年間最高作品に与えられる賞の授賞式では、被害を明かした俳優が映画関係者らに沈黙を破るよう訴えた。米ハリウッドから#MeToo運動が世界に広まって7年。告発がいま相次ぐ背景に何があるのか。

 2月23日夜にパリで開かれた「第49回セザール賞」の授賞式。中盤にさしかかったところで、どの賞にもノミネートされていない俳優のジュディット・ゴドレーシュさん(52)が舞台に姿を現した。一堂に会した映画関係者を前に緊張した様子で大きく息を吐き出すと、この日のために用意したという自作の詩を読み始めた。

 「役を失うこと、仕事を失うことは怖い。私は30年間、沈黙を原動力にしてきた。世界は私たちを見ています。勇気を持って声を上げてください」

 米ハリウッドでも知名度の高いゴドレーシュさんは2月上旬、14歳の時に出会った2人の映画監督から性的暴行を受けたと公表した。告発されたのは、ブノワ・ジャコー氏(77)とジャック・ドワイヨン氏(80)という仏映画界の重鎮。両氏は加害の事実を否定している。

 その後も、フランスの高級ブランド「シャネル」の広告でも知られるアナ・ムグラリスさんら2人の女性俳優がドワイヨン氏からの性的被害を仏紙ルモンドで公表。仏メディアによると、ほかにもゴドレーシュさんの行動に続く被害告白の動きが出ている。

「作品と人格は別」とみる根強い風潮

 米ハリウッドの大物プロデュ…

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