パレスチナ情勢 3月2日~3月13日(日本時間)にあったこと
国連安全保障理事会は11日、昨年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した際、複数の場所で性暴力が起きたと結論づけた報告書の公表を受け、初めての公開会合を開きました。理事国がさらなる調査を求めたほか、イスラエル軍によるパレスチナ人に対する性暴力への懸念も示されました。
一方、イスラエル軍は11日、ガザ中部のヌセイラトで、ハマス幹部が利用する地下施設を空爆したと発表しました。有力紙ハアレツなどは、ハマス軍事部門ナンバー2のマルワン・イーサ氏が死亡した可能性があるとしていて、事実なら、昨年10月の戦闘開始以来で殺害された最も高位なハマス幹部とみられます。
■■■2024年3月13日(日本時間)■■■
02:20(エルサレム12日19:20)
ネタニヤフ首相、ラファへの地上作戦「前に進める」と強調
パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は12日、最南部ラファへの地上作戦の展開を「前に進める」と述べた。ラファ攻撃については、米国などが民間人の犠牲のさらなる拡大につながると懸念を表明している。
イスラエル政府の発表によると、ネタニヤフ氏は米ワシントンで開催された親イスラエル団体「米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」の会合でビデオ演説した。ネタニヤフ氏は、民間人に対する危険を抑えながらも、「ラファでの仕事は終わらせる」と明言した。
そのうえで、「イスラエルが存在する権利や、自衛する権利を支持すると言いながら、(権利を守るために)実行に移すとなると『反対だ』と言うことはできないはずだ」と述べた。
イスラエル側は、ガザの人口230万人のうち140万人が避難しているラファにイスラム組織ハマスの最後の大きな軍事拠点があるとみている。
また、ネタニヤフ氏はこうした軍事作戦の継続が「イスラエルの市民の圧倒的な多数の支持を得ている」と述べた。ネタニヤフ氏への支持率が落ち込むなか、軍事作戦についての世論調査での支持率の高さを強調した形だ。
00:50(ニューヨーク12日11:50)
EU上級代表「飢餓を戦争の武器として使っている」 イスラエルを批判
欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は12日、パレスチナ自治区ガザ地区への人道支援の搬入をイスラエル軍が制限していることについて「(イスラエルは)飢餓を戦争の武器として使っている」と批判した。米ニューヨークの国連本部で開かれた、国連とEUの協力関係を議論する安全保障理事会の公開会合で発言した。ガザでは50万人以上が飢餓の一歩手前にいると懸念されており、ボレル氏は「これは洪水や地震など自然災害ではない人道的危機だ。人災だ」と指摘した。
■■■2024年3月12日(日本時間)■■■
23:00(ローマ15:00)
ガザ北部に3週間ぶり食料輸送 国連機関
パレスチナ自治区ガザで深刻化する食料危機をめぐり、国連世界食糧計画(WFP)は12日、ガザ北部に食料を搬入したと発表した。食料輸送は2月20日以来、約3週間ぶりといい、2万5千人分を届けたという。
WFPはX(旧ツイッター)に「ガザ北部の人々は飢餓の瀬戸際にあり、(食料を)毎日輸送しなければらない。北部に直接アクセスできる箇所が必要だ」と投稿した。イスラエル軍も同日、Xの投稿で「WFPからの援助物資を積んだトラック6台が、ガザ北部に入った。これは、ハマスによる援助物資の横取りを防ぐための試験的な措置の一環だ」と食料の搬入を認めた。
16:43(キプロス・ニコシア09:43)
最初の食料輸送船がキプロスを出発
パレスチナ自治区ガザで深刻…
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イスラエル・パレスチナ問題
イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]