首都の「下水」が化学肥料に 東京都、全国普及へ国やJA全農と連携

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本多由佳
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 化学肥料の原料価格が高騰し、国内農業に影を落としている。ほぼ全量を輸入に頼っている現状から抜け出そうと動き出した実験の現場は、農業に縁遠そうな東京。国と東京都は、巨大都市から大量に出る「下水」に目を付けた。

 農林水産省によると、化学肥料の主な原料となるリンを含むリン鉱石が国内では産出されないため、中国やモロッコなどからリン酸アンモニウムなどの形で必要量のほぼ全てを輸入している。

 しかし、ウクライナ危機や世界的な穀物需要の増加を受け、2022年に国際価格が急騰した。財務省貿易統計によると、リン酸アンモニウムの輸入価格は、同年7月には前年同時期の2・4倍に。23年以降、いったん下落したが、なお不安定な状況が続く。安定確保策として国が目を付けたのが、東京の「下水汚泥」だった。

国と東京都は、下水汚泥から化学肥料の原料を取り出す実証実験を始めました。記事では、東京都が民間と共同開発した独自技術や、JAと組んで目指す全国普及について紹介します。

■都、年70㌧→年1400㌧…

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