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　東京都足立区の住宅の床下で1月、住人夫婦の遺体が見つかり、フィリピン国籍の男女が死体遺棄容疑で逮捕、起訴された事件で、警視庁は1日、2人が夫婦を殺害したとして殺人と住居侵入の疑いで再逮捕し、発表した。いずれも容疑を否認しているという。

　警視庁は女が事前に刃物を購入し、2人で住宅に数時間以上潜んで事件を起こしたとみている。

　捜査1課によると、無職のモラレス・ヘイゼル・アン・バギシャ（30）=足立区=、会社員のデラ・クルース・ブライアン・ジェファーソン・リシン（34）=茨城県=の両容疑者は共謀して1月16日、足立区の3階建て住宅に侵入。1階廊下などで自営業の高橋徳弘さん（当時55）と妻で無職の希美江さん（当時52）の胸などを包丁で刺して殺害した疑いがある。

　モラレス容疑者は「関係ないしやってません」、デラ・クルース容疑者は「その場にいたが、私は殺していません」と供述しているという。

　捜査関係者によると、住宅内から凶器とみられる包丁が複数見つかり、うち1本にはモラレス容疑者のものとみられる血液が付いていた。同容疑者が事件数日前、同型の包丁を量販店で購入する様子が防犯カメラに映っていた。同課は事前に凶器を準備したとみる。

住宅内に潜み、夫婦を順番に殺害か

　両容疑者が16日午前中に玄関から住宅に侵入したとみられることも判明。徳弘さんは16日昼ごろ一時的に外出し、希美江さんは午後1時半ごろ外出して午後4時半ごろ帰宅するのが確認されている。同課は、2人が玄関の鍵を開けて住宅内に侵入して数時間以上潜伏し、夫婦が1人になったタイミングで順番に殺害して床下に遺棄したとみている。

　モラレス容疑者は、高橋さん夫婦と同居する30代長男と以前に交際しており、長男らから昨年秋以降、同容疑者との数十万の金銭トラブルの相談が千住署に寄せられていた。デラ・クルース容疑者と夫婦らに面識はないという。（遠藤美波、長妻昭明、増山祐史）